★南極老人星を見よう!

HASSY

2008年02月10日 23:57



『南極老人星』ってご存知ですか?
りゅうこつ座のα星「カノープスCanopus」のことです。
光度は-0.7等星と、(太陽・月・惑星といった)太陽系の天体を除けば
おおいぬ座のシリウス(-1.5等)に次ぐ全天第2位の明るい恒星なのです!

ところが天の南極に近いため、日本では南の空低くにしか姿を見せません。
見ることの出来る北限は東北地方で、それより北の地方ではどうがんばっても
その姿を見ることが出来ないです。
 【逆に南へ行けば行くほど見やすくなるのですが…】

中国ではこの星を"南極老人星"と呼んでいます。
南極老人とは、日本の七福神の寿老人あるいは福禄寿の元になった神様で、
長寿をつかさどるとされてきました。
それで、一目見た者は長生きできると言われている縁起の良い星なのです。
(それぐらい見る機会が少ない。希にしか見ることができない・・・)
そして、季節的には真冬のこの時期が見頃、、、、
というか、低空まで晴れ渡る空気の澄んだ今しか見るチャンスはありません。

トップの写真で工場の右側の煙突の右に見えている光跡がカノープスです。
姫路(北緯34.5度)での高度もわずか3度ほど・・・
もちろん南側の開けたところでしか見ることはできません。
幸い我が家からは南空の見晴らしが良いので、
低空まで晴れた日は必ずこの姿を拝むことが出来るのです。
全天2位の明るい星も、低空の大気に遮られて、本来の輝きが見えず、
平凡な2~3等星にしか見えないのが寂しい限りです。
いつか南半球へ行った時には、天高くシリウスと全天1,2の明るさを競い合う…
大きく明るく煌めく姿を見てみたいものです。

写真中央左よりの明るい星が"シリウス"、右上にはオリオン座が写っています。
オリオンとシリウスの位置からカノープスの見える位置の見当がつくと思います。
真南の超低空に見えるのは、今なら午後9時頃、2月終わりには午後8時頃となります。
 【見つけ方とか詳しいことはコチラをどうぞ!】

僕はいつも毎年大晦日の夜、新年が明けるとこの星を見るのを恒例にしており、
見れたら、"ああ、今年も長生き出来きていい年になるかな?"
なんて一人思いに耽ったりなんかしています。(^^;)

皆さんも是非ともチャンスがあればカノープスを探してみてはいかが?
長生き出来るかも・・・







さて、先日もカノープスが見えていたので撮影してみました。
今回はインターバル撮影に初めて挑戦!【詳しくはきよぴーさんコチラのHPをどうぞ】

我がD70には残念ながらインターバル撮影機能は備わってないので、
シャッターが切れたらすぐにシャッターを切る…という原始的手動インターバル撮影です。
30秒露出で19枚撮りました。
これで合成すれば、9分30秒の長時間露出と同じ事になるのですが・・・

甘かった…

撮影データを見ると、コマとコマの間はどれも2秒程のタイムラグが生じていました。
なんで~?
シャッター切れるのを待って、間髪入れずに次のシャッターを切ったはずなのに!(リモコン操作)
その間のタイムラグは0.5秒以内の自信はあったのですが・・・2秒とは!

よーく考えてみると、たぶんメモリーへの書き込み時間に起因するものではないかと思われます。
僕は基本的に全てRAW+JPEGで撮っているので、書き込みに時間がかかったのでしょうか。
 【RAWというのはJPEGよりかなりファイルサイズがデカくなってしまう画像種類のことで
  それゆえメモリーへの書き込み時間がかかってしまう?】
次回の挑戦時にはRAWを止めてJPEGの、それも小さいファイルサイズでやってみます。

で、2秒のタイムラグでどうなったかと言いますと、
星の光跡が線にならずに小さなダンゴが繋がった状態…となってしまったワケなのです。
トップの写真がそうなのですが、拡大するとよく判ってしまいます。
このサイズでいっぱいいっぱい。何とかゴマかせる限度なのです(^^;)・・・・・お粗末様でした
2枚目のアップの写真はインターバルにせずの1枚ものの長時間露光です。
飛行機の航跡の上に遠慮がちに輝いています。

 【撮影データ】
 1枚目:2008.01.31 21h39mより30秒露出×19枚を合成,18mm,F4.5,ISO400
 2枚目:2008.01.31 21h51m 露出70秒,70mm,F4.5,ISO400



《オマケの雑学》

 ・カノープスのある「りゅうこつ座」の学名はCarina
  そう、TOYOTAの自動車であったカリーナです。2001年に生産中止となったんですね。
  僕も昔はCARINA EDに乗ってたんですが・・・

 ・そのりゅうこつ座ですが、昔は南天に「アルゴ座」というとてつもなく大きな星座があったのですが、
  あまりに巨大な星座だったため、ほ座・とも座・らしんばん座・りゅうこつ座の4つに分割された。

 ・地球の歳差運動により、カノープスは約1万2千年後には南極星になる。
  (ちなみに北極星も8000年後にははくちょう座のデネブ、12000年後にはこと座のベガがなる)

 ・日本での別名には次のようなものがあり、大体はその星の見える方角の地名を指すものです。
    布良星(めらぼし)・・・関東地方(房総~遠州灘沿岸)。
    姫路(播州)地方では、淡路星や家島星、鳴門星などがあるようですが、知りませんでした。
    また、岡山などでは「讃岐の横着(おうちゃく)星」、その讃岐でも「土佐の横着星」
    というのがおもしろい!(その方向に現れて)すぐに沈む横着な星だということのようです。



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