南十字星
明るい星ばかりが見事に十字形に並んだ、代表的な南天の星座です。(正式名は南十字座)
日本からは石垣島などの南西諸島の一部でしか見られないので、
誰しも一度は見てみたい憧れの星ですよね。
僕は新婚旅行のハワイで見ました‥・遠い昔の話…
【○年前、ハワイ・マウイ島での南十字星。 ショボいですが、ご勘弁を・・・】
その南十字星。
邪馬台国の女王卑弥呼も見ていたのかもしれない…
なんて御存知でしょうか?
※卑弥呼が海外旅行をしたというお話ではありません…((爆))
下の星図をご覧下さい。
【
天文シミュレーションソフト:Stella Theater Proにて作成】
西暦200年、纏向遺跡のある奈良の星空をシミュレートした様子です。
どうです?
南の空低く、シッカリと南十字星が見えていますね!
この頃はちょうど卑弥呼が邪馬台国の女王として倭国を治めていた時代。
卑弥呼も南天低く輝く見事な十字形を、特別な想いで見ていたのかもしれません
翻って想像すれば、自らの呪術に利用していたのかも?
【男三瓶山とからす座~三瓶北の原キャンプ場にて
この真下、地平線下に南十字星はあります。】
さて、ではなぜ古代日本では奈良からも南十字星が見られたのか?
これは地球の
『歳差運動』という現象によるものなのです。
地球は自転していますが、自転軸が23.5度傾いているのは御存知の方も多いでしょう。
その傾きのせいで地球の自転軸がコマが斜めに回るようにふらついており、
これにより地軸の指す天の北極が円を描いていて(左図)、
約25800年の周期で一周するのです。
(→詳しい解説は省きますし、これ以上説明できません(笑)。各自お調べ下さい)
〔出典:アストロアーツ〕
それで何が起こるのかと言うと、見える星の位置が変わるのですよ!
現在、天の北極にあるのは「北極星(こぐま座α星ポラリス)」ですが、
4,000年前には「りゅう座α星」が北極星となっていましたし、1万2千年後には「こと座のベガ」
(織女星)が北極星となるのです。(右図)
(→北極星となるという表現を使いましたが、目立つ明るい星が天の北極に近づくという意味です。
ちなみに、現在の北極星はあと100年ほどすると天の北極に一番近づきます。)
もちろん北極星に限らず、全天的に見える星の位置が変わりますから、
現在は日本では見えない南天の星座も見えていた時期があるんです
【現在の奈良の星空・・・中央下のラインが地平線を示しており、
南十字星は地平線下でまったく見えません】
例として邪馬台国の時代をシミュレーションしてみましたけど、
これより前の時代なら、南十字星はますます高度が上がり見やすくなっていますので、
縄文や弥生時代の遺跡や、また中国の古い書物などに南十字星に関するものがあるかもしれませんね?
あれだけ目立つ綺麗な並びですから、信仰の対象なんかに十分なり得ると思うんですが・・・
考古学者の皆さんも、はたしてそのへんを考慮してらっしゃるのかな?
古代の星空を正確に考慮して考えると、新しい歴史の解釈が見えてくるかもしれませんよ
な~んて、、、そんなの既に考古学では常識?大きなお世話かも知れないですね。
失礼いたしました。
【NASA「Astronomy Picture of the Day Archive」の素晴らしい画像をどうぞ
左側に南十字星。南天の銀河の中に埋もれています・・・
The Southern Cross in a Southern Sky Credit & Copyright: Yuri Beletsky (ESO)】
いずれにせよ、1800年もの昔、
いにしえの邪馬台国の女王卑弥呼が南十字に心奪われて・・・?
なんて想像すると、、、ロマンがあるじゃないですか~
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