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2010年02月14日

卑弥呼は南十字星を見たか?

南十字星キラキラキラキラ

明るい星ばかりが見事に十字形に並んだ、代表的な南天の星座です。(正式名は南十字座)
日本からは石垣島などの南西諸島の一部でしか見られないので、
誰しも一度は見てみたい憧れの星ですよね。

僕は新婚旅行のハワイで見ました‥・遠い昔の話…テヘッ

卑弥呼は南十字星を見たか?
【○年前、ハワイ・マウイ島での南十字星。 ショボいですが、ご勘弁を・・・】


その南十字星。

邪馬台国の女王卑弥呼も見ていたのかもしれない…
なんて御存知でしょうか?

 ※卑弥呼が海外旅行をしたというお話ではありません…((爆))


 
下の星図をご覧下さい。

卑弥呼は南十字星を見たか?
  【天文シミュレーションソフト:Stella Theater Proにて作成】

西暦200年、纏向遺跡のある奈良の星空をシミュレートした様子です。

黄色い星青い星ピンクの星

どうです?

南の空低く、シッカリと南十字星が見えていますね!ビックリ

この頃はちょうど卑弥呼が邪馬台国の女王として倭国を治めていた時代。
卑弥呼も南天低く輝く見事な十字形を、特別な想いで見ていたのかもしれませんドキッ

翻って想像すれば、自らの呪術に利用していたのかも?


卑弥呼は南十字星を見たか?
 【男三瓶山とからす座~三瓶北の原キャンプ場にて
     この真下、地平線下に南十字星はあります。】



キラキラキラキラキラキラ

さて、ではなぜ古代日本では奈良からも南十字星が見られたのか?

これは地球の『歳差運動』という現象によるものなのです。


地球は自転していますが、自転軸が23.5度傾いているのは御存知の方も多いでしょう。
その傾きのせいで地球の自転軸がコマが斜めに回るようにふらついており、
これにより地軸の指す天の北極が円を描いていてダウン(左図)、
約25800年の周期で一周するのです。
(→詳しい解説は省きますし、これ以上説明できません(笑)。各自お調べ下さいウワーン

卑弥呼は南十字星を見たか?卑弥呼は南十字星を見たか?
   〔出典:アストロアーツ〕


それで何が起こるのかと言うと、見える星の位置が変わるのですよ!ビックリ

現在、天の北極にあるのは「北極星(こぐま座α星ポラリス)」ですが、
4,000年前には「りゅう座α星」が北極星となっていましたし、1万2千年後には「こと座のベガ」
(織女星)が北極星となるのです。アップ(右図)
(→北極星となるという表現を使いましたが、目立つ明るい星が天の北極に近づくという意味です。
  ちなみに、現在の北極星はあと100年ほどすると天の北極に一番近づきます。)


もちろん北極星に限らず、全天的に見える星の位置が変わりますから、
現在は日本では見えない南天の星座も見えていた時期があるんですびっくり

キラキラ

卑弥呼は南十字星を見たか?
 【現在の奈良の星空・・・中央下のラインが地平線を示しており、
                 南十字星は地平線下でまったく見えません】


例として邪馬台国の時代をシミュレーションしてみましたけど、
これより前の時代なら、南十字星はますます高度が上がり見やすくなっていますので、
縄文や弥生時代の遺跡や、また中国の古い書物などに南十字星に関するものがあるかもしれませんね?

あれだけ目立つ綺麗な並びですから、信仰の対象なんかに十分なり得ると思うんですが・・・
考古学者の皆さんも、はたしてそのへんを考慮してらっしゃるのかな?
古代の星空を正確に考慮して考えると、新しい歴史の解釈が見えてくるかもしれませんよニコッ
な~んて、、、そんなの既に考古学では常識?大きなお世話かも知れないですね。
失礼いたしました。

卑弥呼は南十字星を見たか?
 【NASA「Astronomy Picture of the Day Archive」の素晴らしい画像をどうぞ
  左側に南十字星。南天の銀河の中に埋もれています・・・
  The Southern Cross in a Southern Sky Credit & Copyright: Yuri Beletsky (ESO)】


キラキラ
 
いずれにせよ、1800年もの昔、
いにしえの邪馬台国の女王卑弥呼が南十字に心奪われて・・・?
なんて想像すると、、、ロマンがあるじゃないですか~ぴよこ






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この記事へのコメント
HASSYさんすごいですね~♪♪
天文学者みたい(^0^)/

では、また、すごーい年月がたてば、南十字星が、この辺りでも
見られるというこですか~(@@?

くまも見てみたいけど、くまが生きているうちは、
まだダメですよね~(^^;

やはり、石垣島に行かねば・・・・・・・。


       by  くま♪
Posted by くまぽんくまぽん at 2010年02月15日 19:55
こんばんは^^

南十字星が北半球でも見れるんですか~
すごいですね。
現在の北極星が北になかったってのもビックリです。

次回は2万数千年後? 見逃さないように覚えとこ!!(爆)
Posted by マツテックマツテック at 2010年02月15日 21:29
こんばんは、uaramamaです^^

素敵なロマン溢れる内容ですネ!!

『卑弥呼が見ていたかもしれない南十字星』
心奪われる程の美しさ・・・なのかも知れませんネ^^

しかも、数万年以上も掛けて1周するとかって聞いちゃうと、宇宙って凄いって改めて思います!!

宇宙って、奥深いです!!
Posted by pokkupapapokkupapa at 2010年02月15日 21:51
う~ん ロマンチックなお話ですね。
南十字星は南半球でしか見れない星だと
思ってました。
その頃は 光害なんて無いだろうし
きっと 綺麗な星空だったんでしょうね~。
Posted by やすきちやすきち at 2010年02月15日 22:08
お久しぶりです^^

すごーーーーい!

星の写真も、卑弥呼のお話も。

25800年周期って、、、、スケールが(笑)

難しいけどとってもタメになりました。
Posted by misaki at 2010年02月16日 09:52
★くまさん、

あはは~ありがとうございます。
バレちゃいましたね・・・
実は、、、、、天文学者でも何でもありません(笑)

これから先ですね、
調べてみると、1万数千年後なら再び見れるようですよ!
ただし、ちょっと見え方か変わってきます。
これは歳差とは別の要因によるものなのですが、
詳しくはまたの機会に^^

石垣方面、行きたいですね~♪
南十字星は春の星座ですのでお忘れ無く!
Posted by HASSY at 2010年02月16日 21:15
★マツテックさん、

でしょ~、ビックリですよね。
エジプトのピラミッドの頃は、記事にも書きましたが
りゅう座α星「ツバン」という星が北極星となっていて、
ピラミッドの坑も、この星を向いていたのだとか・・・

↑にも書きましたが、あと1万年以上待ってもらえれば、
姫路からでも軽々と南十字星が見えますので、お忘れ無く^^!(爆)
Posted by HASSY at 2010年02月16日 21:20
★uaramamaさん、

こういう歴史ロマン、大好きなのですよ^^

卑弥呼が見ていたのかも?・・・ですが、
実際は高度が地平ギリギリで低いので、
明るく綺麗な十字が見えていたのかどうか・・・
やはり最後の写真ように、南半球へ行って美しく明るい姿を見ないとね♪

ほ~んと、宇宙は壮大でドラマチックですわ(笑)
Posted by HASSY at 2010年02月16日 21:25
★やすきちさん、

ね、面白いもんでしょ!
古代日本でじゅうぶん見られていたなんて、、、

縄文遺跡とかで、これに関するものないのかな?
秋田とかのストーンサークルなんかで
十字形の石の並びが、南向きであったりしてね^^
想像するだけでロマンを感じます。

光害、当時のようにまったく無い空を見てみたいなぁ。
Posted by HASSY at 2010年02月16日 21:31
★misakiさん、

スケートは上達しました?サリーちゃんにすぐ追い抜かされますよ~(笑)

星の写真って、最後の?
これはNASAからの借り物ですよ。
でも、南半球へ行けば、これくらいの写真はすぐ撮れます。
それに大小マゼラン雲とか、、
一度AUSかNZに行ってみたいです~^^

もう一話、続きを用意してますので、懲りずにまた読んでね(笑)
Posted by HASSY at 2010年02月16日 21:37
こんばんは~~

凄いお話ですね~
思わず聞き(見)入ってしまいましたわ~
昔の星座でお話を作っていた人たちギリシャでしたっけ?
ギリシャくらいの緯度なら北も南も星空を
見れるんですか?
なんか羨ましいですね~
Posted by ぺぺっち at 2010年02月16日 23:11
★ぺぺっちさん、

お読みいただきありがとうございます^^

ギリシャのアテネは北緯38度ですから、新潟や仙台あたりでしょうか?
日本と同じような感じですね。
ですから星の見え方は一緒ですよ~

後1万年以上待つより、南方へ行く方が早いですね(笑)
Posted by HASSY at 2010年02月17日 22:19
HASSYさま、はじめまして。
わたくしも姫路在住の、豆石光と申します。よろしく。

古代史ファンです。古代の天文に興味を持ち、HASSYさまのこのブログを参考に、このたび当方のブログに「北天の星空」に関し、一文を記しました。

なにぶん天文は、ド素人。大間違いが無ければ良いのですが・・・とても、心配です。
今後も色々ご教授くださいませ。よろしく。
Posted by 豆石光 at 2011年02月26日 23:14
★豆石光さん、

どうも、こんばんは!
古代史ファン、そして、星空ファンの方なんですね^^

いやいや、僕の記事などあまり参考になるようなモノではないですよ。

「播磨灘の風光」
少し拝見させていただきましたが、難解で・・・(笑)

「播磨灘のメモ帳」のほうが、なんとなく分かり易いかな?なんて

いずれにしろ、興味深い解釈をされているようなので、
またジックリと拝見させていただきますね♪
ありがとうございました。
Posted by HASSY at 2011年03月01日 22:13
 
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